このカードのプレビューを書くってなった時、最初に頭に浮かんだのは戦術じゃなかったんだよね。
正直、安心感だったじゃん。
先週末、なんか変な感じだった。
無茶な時間にアラームをセットする必要もない。スタメン発表を何回も更新することもない。西東京の女子サッカークラブに朝6時から感情を握られることもない。
でもさ、それがスフィーダ世田谷を応援するってことなのかも。
ある週は、薬局で働く選手やスーパーで働く選手たちが、まるでワールドカップ決勝みたいな勢いでタックルに飛び込んでいく。
次の週は試合がない。
それだけで週末が何か足りなく感じちゃうんだよな。
そして今週。
スフィーダ、帰ってくる。
ただし。
相手は首位なんだけどね。
静岡という名のボス戦
いやもう、今週すごかった。
仕事が完全に修羅場モード。
大手町のサラリーマンが「わかる」って頷きそうなレベル。
案件は全部同時に襲ってくるし、締切はカフェイン決めて暴走してるし。
でも日曜日が来る。
そしてスフィーダにとって、今季屈指の難関もやって来る。
静岡SSUボニータが首位にいるのは理由がある。
11試合で8勝。
34得点。
失点はたったの7。
7だよ?
これ、好調とかじゃない。
警告ラベルじゃん。
勝点26、得失点差+27。
数字も強い。
でも実際に見ても強い。
本田美登里監督のチームは、とにかく効率的。
ボールは速く動く。
プレッシングも早い。
ミスは即処理。
容赦なし。
しかもアウェイ。
読み進めるほど状況悪くなってない?
開幕戦の亡霊
スフィーダ関係者で開幕戦を忘れた人はいないと思う。
公式には第1節。
でも感覚的には公開処刑に近かった。
AGFフィールドで静岡がスフィーダを6-1で粉砕。
敗戦だった。
そして教材でもあった。
ハイライン。
トランジションの脆さ。
浜田サッカーが勇気と無謀の境界線を越えちゃった瞬間。
あの日の6失点は全部を映していた。
だから残った。
クラブ史上最悪だったからじゃない。
みんな少し心当たりがあったから。
小さな出来事は消える。
大きな出来事は目印になる。
あの試合は完全に目印だった。
だからこそ今回の再戦、めちゃくちゃ気になるじゃん。
なんでスフィーダじゃダメなの?
サッカーって面白い。
証拠とかデータって、ある日突然意味なくなるから。
静岡は無敵に見える。
でも数週間前に名古屋ラブリッジが勝った。
先週は最下位のVONDS市原ですらゴールを決めた。
一方でスフィーダは名古屋をギリギリまで追い詰めた。
VONDSにも勝った。
サッカーの論理なんて、温泉で使う紙石鹸くらい頼りにならない時がある。
だったら。
なんでスフィーダじゃダメなの?
2位相手に勝点を取った。
可能性はある。
大きくはないかもしれない。
でもゼロじゃない。
このリーグ、誰かが「もう決まったでしょ」って思った瞬間に話をひっくり返すの好きなんだよな。
花より団子FC
花より団子。
見た目より中身。
派手さより実際の価値。
学校を回って子どもたちにサッカーを教えることとかね。
これ、たぶんスフィーダを一番表してる言葉じゃん。
静岡はWEリーグを目指してる。
観客動員。
プロ化。
企業成長。
戦略的発展。
全部素晴らしい。
批判じゃない。
ただ今いる場所が違うだけ。
スフィーダは別の世界線にいる。
平日に選手を職場で見かけるクラブなんだよね。
サミットで接客してるDFがいるかもしれない。
品出ししてるMFがいるかもしれない。
Tomod’sで薬を渡してるFWがいるかもしれない。
で、日曜日になったら横山久美を止めろって言われる。
なかなか無茶振りでしょ。
サッカー界は「本物らしさ」が好き。
スフィーダはそれを狙わず体現しちゃってる。
マーケティング部門とかいらないレベル。
Dre × Bangaranga
今週、Dr. Dreを聴きすぎた。
でも意外と関係ある気がする。
浜田隆監督のサッカーって、ミキサー壊れたままリリースされたデモ音源みたいなんだよね。
低音はデカい。
構成は時々どっか行く。
でもなぜか成立する。
そして機能した時の浜田サッカーはBangarangaになる。
しかも普通のBangarangaじゃない。
岡山湯郷Belle戦の5-0で見た、あのBangaranga。
1980年代の荒削りなDreサウンドに、DARAがリミックスで飛び込んできたみたいなやつ。
あれが必要。
今のスフィーダには。
流れがひっくり返る。
ボールが奪われる。
カウンターが飛ぶ。
気づいたら選手が意味不明な場所にいる。
1分前まで安定してた試合が、次の瞬間には坂道を爆走するショッピングカート状態。
慎重さじゃない。
綺麗な三角形でもない。
Bangarangaだ。
ボリュームノブを限界まで回して、そのまま壊す感じ。
問題は。
静岡も同じことをやりたがるチームなんだよね。
だから日曜日は、お互いが「この部屋で一番デカい曲を流すのは私だ」って張り合うリミックス大会になるかもしれない。
戦術傑作になるか。
戦術崩壊になるか。
たぶん両方。
