これは王座戦というより、“ジュリアが静かにフェードアウトさせられている”感じなんだよな
今週のSmackDown女子US王座戦で一番おかしいのって、キアナ・ジェームズが挑戦者なことじゃない。
ジュリアじゃないこと。
みんな引っかかってるの、そこなんだよね。
プロレスファンって理不尽には慣れてる。都合よく記憶消されるストーリーも、裏事情っぽい空気も、ラダーマッチで背骨壊れてないフリする世界観も、まあ飲み込んできた。
でも今回のこれは、さすがにジュリアへの扱いとして雑すぎない?って空気がある。
あのタイトル戦、終わり方グチャグチャだったじゃん。味方まで巻き込まれて、決着もスッキリしない。
なのに次の挑戦者、別の人。
復讐に来るわけでもない。軍団代表でもない。
ただキアナ・ジェームズが、物語の上を普通にまたいでタイトル戦に入ってきた。
ストーリーとして見れば面白い。そこは否定しない。
でもブッキングとして見ると、SmackDown行きの列車にCreativeだけ乗って、ジュリアだけ荷物置き場に忘れてきた感じあるじゃん。
キアナ・ジェームズは良い。でも違和感は消えない。
これ、別にキアナ叩きじゃない。
むしろ最近かなり良い。
タイミング鋭くなったし、喋りも前より冷たい説得力が出てきた。“企業戦士キャラ”も、NXT時代のちょっと演劇っぽい感じから、本当に買収案件まとめに来そうな空気へ進化してる。
なんなら今のキアナ、女子部門を敵対的TOBしに来た人みたいな怖さある。
ただ問題は構造。
ここ数ヶ月のキアナって、あくまで“ジュリアの横”だった。
通訳。交渉役。マネージャー。財務担当。感情の緩衝材。たまにリングサイドでうるさい人。
超高級サブキャラ。
それが役割だったじゃん。
中心はずっとジュリアだった。
なのに今、タイトル挑戦してるのはキアナ。
ジュリアは横で、自分の後任研修を見せられてる人みたいになってる。
これ地味にキツい。
しかもプロレスファンって、そういう“空気の降格”めちゃくちゃ敏感なんだよね。
2004年の前座でレフェリーが変な顔したの覚えてるタイプの人種だから。
視線のズレとか、立ち位置とか、全部見てる。
だから今回の構図、“キアナ昇格”というより、“ジュリアが省かれてる”ように見えちゃうんだよな。
ティファニー・ストラットン復活劇、なんか軽い
で、ティファニー・ストラットン。
本来なら大きい流れのはずなんだよ。
王座奪還。レッスルマニア不在のモヤモヤ回収。WWEも“ティフィー・タイム”を女子部門の新しい軸にしたいの、かなり見えてる。
でも今の復活劇、ちょっと薄い。
悪くはない。全然。
ただ、感情の橋が完成する前に結論だけ置かれた感じがある。
ティファニーって本当に才能あるし、運動能力だけならここ数年のWWE女子でもトップ級。動き見てると、重力が一瞬仕事サボってるみたいな時あるし。
ゴジラがビル街を無視して一直線に歩く時みたいな、“物理法則より存在感が勝つ”瞬間あるじゃん。あれに近い。
でも今の抗争、向かい側に立ってる相手が違う気がするんだよね。
本当に見たいのはジュリア。
日本の女子プロレスから来たあの危うさとか、空気とか、“まだWWE本隊に翻訳され切ってない感じ”そのもの。
ベルトじゃない。
ジャクソンビルでもない。
「キアナ・ジェームズ 身長」とか「ティファニー・ストラットン 何cm」みたいな検索サジェストで、家具サイズ確認みたいになってるネット論争でもない。
感情の重心、まだジュリアにある。
だからティファニー、今のSmackDownだと“別の抗争に迷い込んだ人”っぽく見えるんだよな。
正直RAWの方が合ってる気がする。リヴ・モーガン相手とか、もっと毒あって、危なくて、温泉帰りみたいにヌルくまとまらない化学反応になりそうじゃん。
今のSmackDown、ちょっと渋滞してる。
本当の本番は、その後のターンかもしれない
でも、もし全部わざとなら?
急に面白くなる。
キアナが王座獲る。
まあクリーンではないと思う。プロレスって、“綺麗な感情移行”を信じなくなった時期と、“仮想通貨は安定資産”って言い始めた時期、たぶん同じだから。
で、そこでジュリアが壊れる。
被害者じゃなく。
正義の怒りでもなく。
もっと冷たい方向。
関係性そのものを裏返す感じ。
だってもう腐り始めてるじゃん、この同盟。
キアナ、最近しゃべりすぎなんだよね。
前に出すぎ。自信ありすぎ。
マネージャーっていうより、“後継者プラン”として動いてる。
もしここでダブルターン入ったら、一気に全部繋がる。
キアナが“望まれてないのに応援され始める王者”になって、ジュリアが bitterness と暴力に振り切れる。
それ、かなり質感ある。
今までの違和感全部、“意味不明ブッキング”じゃなくて、“伏線”に変わるじゃん。
で、ティファニーは後からトリプルスレットで戻す。
その方がデカいし、整理される。
今の感情渋滞にも巻き込まれない。
実はチェルシー・グリーンが鍵かもしれない
あと地味に面白いの、チェルシー・グリーン。
Secret Herviceの軌道から外れたことで、また自由に動けそうなんだよね。
観客、もう彼女を“笑う対象”じゃなく、“一緒に笑う人”として見始めてる。
WWEってその変化、ギリギリまで認めない会社だけど。
で、ティファニーとの緩い共闘。
あれ普通にアリじゃん。
別に友情路線じゃなくていい。プロレス友情なんてコンビニ寿司くらい賞味期限短いし。
でも aesthetic は合う。
見せ方を武器にしてるタイプ同士だし、ナルシズムをちゃんと“芸”として扱える。
それに、その形ならジュリア&キアナ側とも綺麗に噛み合う。
女子部門全体が、“ベルト争い”じゃなく、“壊れかけた関係性”中心で回り始めるから。
で、結局プロレスってそこが一番面白いんだよね。
スポーツを演じてる時じゃなく。
火花散らしながら、継承争いしてる時。
